佐久の自然の恵みを活かした地域づくり

「佐久の農×食の宝シンポジウム」を開催しました

2016年11月26日、「佐久の資源を再発見!農と食から魅力発信を!!〜ほりおこしましょう 佐久の農×食の宝シンポジウム〜」を開催いたしました。

このシンポジウムでは出席者120名という大勢の方々の参加がありました。

第1部基調講演『佐久の宝は自然・農・食をつなぐ人々』
講師:小谷あゆみ氏

小谷あゆみ氏は、農林水産省 食糧・農業・農村制作審議会畜産部および農業農村振興整備会臨時委員や家畜改良センター監事を務めており、フリーアナウンサーとして活躍しながら、『農』や『食』に関する農業ジャーナリストとして北海道から沖縄まで全国各地で講演や執筆活動を続けています。
今回は特に「佐久の自然・農・食」そしてそれを「つなぐ人々」に焦点をあてて、全国各地で行なわれている豊富な事例を紹介していただきながら、次のようなお話をしていただきました。
・農産物の付加価値を高めるために行なわれている”6次化”もいいけれど、モノに焦点を当てすぎては成功しない。感動(体験)を売っていきましょう。
・佐久の”宝”は自然・農・食!そしてそれらをつないでいる人々。人づくりが大切です。
・佐久には”楽しそう”がいっぱい。地域の中の友達同士のコラボ(協同)で、佐久地域の価値を高めていくことが大事なことです。

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第2部では、家畜改良センター長野支場の加藤信夫場長がコーディネーターとなり、パネル・ディスカッションを行いました。
加藤支場長は農林水産省に入省し、イタリアなどの海外勤務やJICAなど世界各地で活躍され、現在は家畜改良センター長野支場で牧場の経営や地域資源の発掘に尽力されています。

 

 

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農と自然には無限の可能性
磯村聡氏
埼玉県出身、つながり自然農園園主。佐久市内山で有機農業(炭素循環型農業)を実践しながら、都会の消費者に農産物を直接販売しています。その体験をとおして、①佐久は野菜づくりに適した土地で、質の高い野菜や果物ができる。②佐久には多様な生き物が生息している。その生き物と共存する農業・暮らしを付加価値として伝えていきたいと考えています。
佐久の生活の日常の中にこそ魅力がつまっている。これからはそれをどう生かす(魅せる)かが大事なことです。

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佐久ならできる、美味しいものの産業クラスター化
是本健介氏
ホンダ(本田技研工業)でジェット機の設計に携わっていた航空宇宙工学博士。脱サラしてチーズプロフェッショナル(チーズのソムリエ)となり、2016年12月、佐久でチーズ工房を開業。
①長野牧場の山羊乳を使ったチーズと近所の牛乳を使ったチーズ作りを通して、酪農家とお客様をつなげていきます。
②佐久には、星・蛍など素晴らしい自然が沢山あり、野菜・ジビエ・お酒など美味しい食べ物という資源があります。もっとお国自慢をしましょう。佐久から”柵”をとりはらって、佐久市単独でなく佐久地域で考えていくことが大事です。

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農を通した健康長寿の「おいしい」秘密
栁澤和也氏
(一財)日本農村医学研究所主任研究員。”食”を通して健康長寿を追求する研究者として活躍されています。現在続けている『長寿の里「佐久」プロジェクト』活動を更に推進し、”長寿の里モデルを佐久から全国に伝えていきたいということを念頭に、次のようなお話がありました。
①佐久市は市町村別平均寿命で男女とも20位以内。
②いつまでも生き活き生活するためには農作業が有効。
③健康長寿の秘訣は『医食同源』

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子育ての日々が豊かになる佐久の食と風景
野口淳子氏
さく・さく食育応援隊。佐久で暮らしている”食育”のプロでもある若いお母さんとして、「子育ての日々が豊かになる佐久の食と風景」についてお話されました。
①野菜のおすそわけ・お茶飲み文化といった佐久の昔ながらの習慣は、地域が親戚のようなつながりをもつことができ、それが都会の人には魅力に映ります。
②生産者のわかる新鮮な食材はそれ自体に価値があります。
③ニーズに合わせてカスタマイズしたツアープランをつくることで佐久のPRとして有効な手段になると思います。

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「本日は大勢の方に参加していただいて、佐久地域の宝である”農”と”食”の掘り起こしの第一歩を踏み出すことができました。地域でのコミュニティづくりを通して、佐久に人の流れを呼び込みたいと思っています。さまざまなご意見・ご提案をWebサイトで共有化していきたいと考えていますので、皆さんのご協力をぜひお願いします。」とう加藤支場長の締めくくりのあいさつで、シンポジウムは盛況のうち閉会しました。

 

シンポジウム終了後、来場の皆様から回収したアンケート結果です。

アンケートに回答いただいた皆様のお住まいや年齢層などは以下のとおりとなりました。

佐久の農食について感じていること
・佐久は美味しい農産物(野菜、果樹等)が豊かな地域。他方で「食」についても地元食材を売りにしたレベルの高いレストランがあるが、もっとあってもいい。
・・農は日本の文化、食は命の根源、農食の取り組みは人の心を豊かにする。
・農家の高齢化、後継者不足の問題はあるが、他方で農業に志を持って取り組んでいる若い人が増えている。
・農と食のつながりの大切さを感じており、そのためにも人とのつながりが大切。
課題
・「商工」に比べて「農」の仕掛けが少ない。農産物の種類は多いが食は狭い。もっと地元を生かした店やイベントが増えるべき。
・耕作放棄地が増えている。
・スーパーで他の産地の食材を購入する機会が多く、売り場も総菜コーナーが広がっている。
・若い人の良質な食材を使っていない店での外食が増えている。
・いろいろあるようで特化したものがない、食については名物がない。
・地元住民が農食の豊かさを日常で成就していないし、その価値がわかっていない。

ご意見
子供たちに農食の豊かさを体験できる機会を多くし、若い世代に関心を持たせることが大切
土地や生産物がよいのではなく、作り手の素晴らしさを伝えたい。

「宝」と思う佐久の資源

・人と人とのつながり、人、人情。佐久に生まれた人が故郷に戻り佐久を熱くしようと考えていること。これらの人たちはまさに佐久の資源であり、宝。
・水、空気、自然、風土(晴天率、寒暖差、夏冷涼など)、環境、風景(浅間山、星空など)、山、地形、森、水田、野菜、農業、(高いレベルの)食、佐久鯉
・佐久はストーリーに溢れていること
・自給自足
・首都圏等からのアクセスの良さ
・何もないということが宝。これを外の人の目線で発見してもらうこと。例えば嫌いな「寒さ」が宝となる
・農家やお年寄りの体験談

ご意見・感想

・多様性のある時代に対応できる佐久の人材(キープレーヤー)の確保または養成が重要。行動力があって、人とは違うクリェイティブな発想ができる人が必要。
・Uターン、Iターン、移住者など、佐久の魅力に気づいている皆さんのような方が中心となって、住民や県外の人に佐久の広報の「伝道者」として協力していただきたい。
・佐久育ちの人が農食を宝と思っていないのではないか。地元佐久の良さを発信するにはどうしたらよいか。
・市民が楽しんでいないものは地域活性とは言えない。市民が楽しんでいれば人が集まる。
・佐久の美味しい・楽しい写真コンテストもよい。行政の固い発想ややり方を変えるために、皆さんと一緒になにかやりたい。
・佐久平は基本的に豊かな農村地帯。農食の結びつきは小諸、佐久穂町などの小さな市町村での取り組みが先行しているが(佐久は出遅れている)、今度の関心の高まりに大いに期待したい。

・佐久に来てもらうためのPR(佐久らしさの発信等)をもっとすべき。
・酒蔵や産地巡り等のために、域内交通の発展の支援をもっとすべき。お酒の場には美味しい食事の組み合わせが重要。
・旅で感動し心に残るのは風景やおいしい食事もあるが、人とのふれ合いが筆頭格。
・自分自身が佐久の農食の宝を発信するためにも、このような「知る機会」を増やして欲しい。食のレベルは高いが、そこに地域農業を絡めて地域全体が循環するしくみが必要。
・佐久には幾多の資源があってうらやましいが、「ストーリー性」があればさらにその輝きを増す。
・食や自然を利用した働ける場を作っていけるのではないか(農業・環境ビジネスでの雇用の確保の可能性)。
・一億総農家の提案に賛成です。

・農業が人のつながりで発展していくことができることは面白いと思った。
・これからは行政とタイアップした取り組みが必要
・環境や健康の視点からも、農食に「里山」も加えて欲しい。

シンポジウムに参加して
・とても刺激になった
・気づかなかったたくさんの佐久の魅力を再認識した、佐久には魅力がこんなにあることを初めて知りました、改めて恵まれていると思った
・価値創造のためのアイデアが大切を考えているが、「生活の中に魅力がたくさんある」と感じた
・地元の取り組みはバラバラ感があり、佐久から「柵」を外す必要性に同感。地元住民が参加できる企画が必要。
・一緒に何かやりたくなった
・もっと早くこの事業があったらよかった、シンポジウムを継続して欲しい
農作業が人間の成長にとって最も大切であることを再認識した、このような事業を通じて、地域住民の価値を変えることを目的の一つとして欲しい
・テーマのバランスがよく聞きやすかった
・紹介していただいた食品の試食コーナーがあるとうれしかったです
・農協の方にもパネリストに入ってもらい、ミッションを聞いてもよかったのではないでしょうか。
・講演内容等は肯定的に感じましたがユートピア的な感じは否めません。もっと戦略的な話を聞かせてもらえればと思いましたなど。

 

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